リン酸のマテリアルリサイクル

混酸の分離回収

混酸を使用するエッチング処理は液晶・半導体の製造工程で多用されており、同時に使用済みの混酸廃液が排出されてきました。従来、この混酸廃液の一部は鉄鋼工場での酸洗浄に使われてきたものの、大部分は多量のアルカリを使って中和後に焼却処理するなど、十分な有効利用がされてきませんでした。さらに、リン酸の原料であるリン鉱石は海外からの輸入に頼っており、産出国の輸出制限や為替の影響により、調達不安や価格高騰が懸念されています。

そこで当社は関西大学との共同開発をきっかけに、混酸廃液を分離し単一の酸として回収する技術を確立することで資源としての有効利用ができるようになりました。この技術は「溶媒抽出法による混酸廃液からの酸回収装置」として科学技術振興機構より成功認定を受けています。

混酸の分離回収の図

<製品の一例>

外観 リン酸濃度 クロム
Cr

Pb
カドミウム
Cd
再生リン酸60%
(一般品)
無色透明~
淡青色
60.0~
63.0wt%
50ppm以下 5ppm以下 5ppm以下
再生リン酸75%
(一般品)
無色透明~
褐色
75.0~
77.0wt%
50ppm以下 5ppm以下 5ppm以下
再生リン酸85%
(一般品)
- 85.0wt%
以上
50ppm以下 5ppm以下 5ppm以下